懐かしい人を見かけて声をかけた

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 前職で同じ職場だった男性をスーパーマーケットで偶然見かけた。セルフレジで会計をしているその姿はひとめで彼だとわかった。なぜなら、一緒に仕事をしていた頃と同じ服装だったから。


 彼は独身ながらいつも身の回りを小綺麗に保っている人だった。ただし、来ている服の種類はいつも決まっていた。白いワイシャツに黒いズボン、これが彼の定番ファッション。そして、今日もまったくその通りのいでたちで、遠くから見てもすぐに彼だとわかったというわけ。



 そのMさんは私と同い年で「宝くじが当たったら仕事辞める」が口癖だった。宝くじが当たったのかどうか不明だが、彼は定年を待たずに退職した。



 「Mさんですか」と声をかけた私の方に振り向いて「ああ......」と昔懐かしい笑顔で応えてくれた。「お元気そうで何よりです」とだけ告げて、私はその場を去った。その後、なんとなくホッコリした気分で一日を過ごせた。



 一緒に働いていた頃にはいろいろなことがあったのだけれど、時を経て姿を見かけた時に、私がこちらから声をかけてみようかと思える人には共通する何かが備わっているように感じる。

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このページは、tsuyuが2023年10月11日 15:50に書いたブログ記事です。

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