『愛するということ』 THE ART OF LOVING エーリッヒ・フロム
鈴木 晶=訳 紀伊國屋書店
いまこれを読んでいます。
私がいまなぜ「愛」に関心を抱くのか?それは、日本の社会に欠けているのが「愛」ではないかと感じているからです。
その中に"成熟した人間とは"という記述があり、大いに共感を覚えたのでここに書き写して残しておきたいと思います。
以下引用(P.56文中より)
配慮、責任、尊重、知はたがいに依存しあっている。この一連の態度は、成熟した人間にのみ見られるものだ。成熟した人間とは、自分の力を生産的に発達させる人、自分でそのために働いたもの以外は欲しがらない人、全知全能というナルシシズム的な夢を捨てた人、純粋に生産的な活動からのみ得られる内的な力に裏打ちされた謙虚さを身につけた人のことである。
このことを念頭に置いて現社会を眺めてみると、いまの時代(特にリーダー的地位にある人間)には"成熟した人間"はいない(またはごく少ない)と言えそうな気がするのです。
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