胸の中に暗黒の穴を抱きながら

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 このごろ時々ふっと胸の中に埋めがたい底の見えない穴が開くような感覚を生じることがある。これと同じような感覚は小学校高学年から中学生時分には今よりも生じる頻度がもっと高かった。


 この穴は横穴ではなく必ず縦穴で、深く暗く沈み込んでいる。例えるなら(本物の実態を知るわけではないが)ブラックホール。全てを呑み込む暗黒世界。この状態にある時は、胸は具体的に重苦しくて感情的には何もかもが虚しく思われる。


 なぜ今?なぜこの虚無の現象が再発しているのか?


 昔の私は子どもであり、人間としての経験も浅くて、ただただ胸の暗黒が消え去るのを待つしかなかった。それは苦しい時間だった。

「待つしかない」......それはいまも同じことだけれど、積み重ねた人生経験から得られた鈍感力も多少は助けになっているように思う。というか、既に死は間近に迫っているという現実がその漆黒の穴に向き合う恐怖を和らげているのかもしれない。「死の淵」を覗き込む、そうとも言える。



 まあ、ボチボチ生きている。

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このページは、tsuyuが2024年10月29日 20:15に書いたブログ記事です。

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