自分が若かったころは世界を動かすリーダーたちは皆年上の人たちで、それなりの見識を備えているものとの前提で動きを見ていました。基本、彼らの多くはそれぞれの国民の幸せを実現するために動いているものだと思いたかった。そう思っていた私はまさに「ナイーブ」な日本人でした。
この「ナイーブ=naive」という言葉を単に【純真な、無邪気な】というほめ言葉のように理解していた私は後に【愚直な、だまされやすい、単純な】という意味もあることを知り認識を新たにしたのです。
なぜこの「ナイーブ」という言葉が私の思考にこびりついているかというと、20代前半のある日職場の上司(当時40代くらいのアメリカ人)から「She is naive」と言われたのですが、咄嗟にその意味するところが理解できなかった経験があり、そのことが後々まで尾を引いていたからです。
その後、すでにその職場を退職して20数年以上経っていたでしょうか、「ナイーブ」というのは(世間知らずのねんねちゃん)という人を小ばかにするような意味があると偶然知りました。それであの時上司が口の端に薄ら笑いを浮かべながら発した「She is naive」の意味が氷解したのでした。
このところの世界情勢は中国とロシアの動きで危うい方向に向かっています。
ロシアのリーダーはプーチン、中国の筆頭は習近平、どちらも私とほぼ同年齢です。生まれ育った国は違っても同時代を経てきた人間として、私なりに思うところはあります。国際関係とか経済の視点とか領土問題・統治の問題とかは専門家に任せるとして、一人の人間として、ほぼ先行き見えてきた年齢なのに永遠の権力の座を維持するために策略を巡らしている彼らの精神構造に大いに関心があります。
私もそれなりに人生の荒波に揉まれて、もはや、薄ら笑い浮かべながら「She is naive」と言われることはないでしょうが、それでも自分を「お人好し」だなあと感じることが多々あります。それは日本という国のやっていることと重なってみえてしかたがありません。私もしっかり「naive」な日本人なのだなあと。
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