いたるところでハトを見かけるようになった。
私が暮らすマンションにもハト避け対策を施しているお宅を見受けるようになった。
ここ2-3年のことだ。
そう言えば、自宅付近で増加しつつあったカラスの姿が減っているように感じる。
ゴミ集積所のカラス対策が功を奏して住み処を替えたのか、
長らく空きマンションだった隣のマンションに入居が進んで人間が増えたせいなのか。
ハトとカラスを比べれば、カラスのほうが優位であろうから、カラスの減少がハトをはびこらせているのか。
原因はわからない。
私が現在勤務しているマンションでも、ハトが飛来して高い場所からフンを落とす季節になった。
見ていると、バルコニーの端からお尻を出してフンを落とし、その後、向きを変えて下を覗き込んでいるハト。
自分の排泄物を観察しているのか・・・憎たらしいったらない。
柔らかいフンは飛び散り、建物のガラスや壁に飛沫が点々と付く。
それを掃除するのは私の仕事になるが、拭いても拭いても拭いた傍から汚されるのでキリがない。
私がいま仕事に通っている街は街中ハトだらけ。
蹴飛ばそうと思えば蹴飛ばせるくらい、いたってノンビリと人間の足下をヨチヨチ歩きながら何かを啄ばんでいる。
通勤電車の車窓から見る駅のホームは、どの駅にもハト避け対策が為されている。
たぶん、どこの施設でも住宅でも、ハト対策には頭を悩ませていることだろう。
一時、広島平和公園のハトが増えすぎて、一網打尽に捕獲して無人の島に連れて行ったというニュースがあったように思う。
「平和の使者」などというアンタッチャブルな伝説故に誰もハトを害鳥として駆除できないのだろうか。
「焼き鳥にして食べちゃえばいいのに」と動物愛護団体が目を剥いて怒りそうな冗談を言ったら、
「ハトは、バイ菌だらけだから駄目なんですよ」と防鳥対策業者が真面目に答えた。
害獣化するイノシシやクマやアライグマやサルなどの問題もある。
これらの動物や鳥とバランスを保って共存することはできないものだろうか。
たかが鳥と侮っていてはいけない。
かつてヒッチコック監督制作の「鳥」という映画があった。
鳥も増え過ぎれば十分に人間を脅かす存在になり得ると思うこのごろ。
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