小泉純一郎という総理大臣がいた。
彼が「郵政民営化」を掲げて解散総選挙を打った時、
反対する勢力に対して、政治に無縁だった素人の刺客を立てて排除しようとした。
子供の頃から政治に関心を抱いて政治家の発言や行動を見てきた私の眼には、
彼のやり方が政治家らしからぬ理念を持たない下品な行いに映った。
私の直感は「小泉純一郎」は、長年、党内で冷や飯をくわされた仕返しをしているのではないか、というものだった。
その "仕返し" の大義名分として掲げたのが「郵政民営化」であって、
彼が、郵便事業を民営化して国民の生活にどのような影響が出るのかに関して熟慮したとは思えなかった。
この「郵政民営化」は、彼が若いころから主張していたが、党内の幹部から相手にされなかった事項だという。
彼からは、国のトップになって日本の将来の為に何事かを成し遂げたいとか、
国民のために何かをしたいという政治家としての奉仕精神をくみ取ることはできなかった。
しかし、それは単なる私だけの素人考えであって、あえて表に出しても仕方がないものだと思っていた。
ところが、昨晩の「深層NEWS シリーズ平成の深層(1)小泉政治とは何だったのか」(BS日テレ)を視て、
合点がいったので、あえて今さらながら、ここに書き残しておこうと思った。
ゲストは山崎拓と亀井静香。
山崎拓の意見は、小泉政治に加担した人間らしいキレイごとのコメントで聞くだけ無駄だったが、
亀井静香のコメントに得るものがあった。
当時、小泉政治の渦中で翻弄され、刺客(ホリエモン)に選挙を妨害された人物の言葉には説得力があった。
静香ちゃんいわく、「あの人(小泉純一郎)はね、ここぞというところで動く勘の働きに関しては天才的だし、芸術家だよ」と。
静香ちゃんはこうも言っていた、「純ちゃんは、政策とか行政とかには関心ないよ」と。
山崎拓のコメントで印象的だったのは、
「小泉さんは、政治は『パンとサーカス』だと言っていました」というものだった。
『パン』は経済、『サーカス』は国民がビックリするようなパフォーマンス。
なるほどね、『パン』の経済の部分は、全面的に竹中平蔵にやらせていたもんね。
一方で、北朝鮮への電撃訪問や選挙の遊説で聞かせる演説の巧さなど、
テレビ映像や大衆の目に触れる場面での見せ方は際立っていたよなあ・・・
小泉純一郎は、
テレビ映りだけは威勢が良いけれど政治に関しては勉強不足で国民のことなど頭にないという、
浅薄な政治家がはびこる時代の扉を開けた張本人だと思う。
私の中での小泉純一郎像は「自分勝手で生活感覚の欠如した冷酷な趣味人」である。
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