熊本地震の被災者となった姉の気持ちも少しずつ落ち着きを取り戻しているようです。
今回の被災でショックを受けた姉の精神状態に一番有効に作用しているのは、
姉の身の上を案じる人々の言葉掛けのような気がします。
発災直後の現場の惨状をテレビなどで視ると、
すぐには現場に駆けつけられない者としては、まず金品の不足を補うことなら協力できるのではと考えます。
しかし、発災直後の混乱状態の現場に、何ら準備のないままに駆けつけても混乱を増すだけになるし、
個人個人が金品を発送しても現場の状況によっては配達が不可能であることも考えられます。
思わぬ災難に見舞われた人に最初に必要なのは、やはり、「心配しているよ」の言葉で気持ちを伝えることのような気がします。
ひとは突然の災難に遭遇すると心がかき乱され、普段の様子と違う言動を見せることもあります。
そんな時に、相手の置かれた状況に想いを馳せ、そのストレスを思いやる言葉をかけること、
その心こそが「惻隠の情」であろうかと思われます。
今から30数年前、
突然宣告を受けた夫の病で私の精神状態がどん底に落ち込んだ時、
心のこもった言葉や想いを掛けられたことがどれほど力になったことか・・・
その経験を通じて、
窮地に陥った人間に一番必要なことは【自力で立ち上がる気力】だと知ることになりました。
そして、その気力は、周囲の人間の「心配しているよ」の言葉と気持ちに支えられてこそだと知りました。
東日本大震災の復興も未だ継続中ですが、
今後の熊本地震の復興も、皆が忘れずに気にかけ続ける事が一番の支援になるように思います。
ひとの暮らしに金品は、あればあればあった方が良いに決まっていますが、
ひとが生きるには、まずは気力ではないでしょうか。
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