最近、「このまま行くと日本は亡びるかもしれない」という発言を数回耳にした。
テレビや出版物において小耳にはさみ散見した言葉。
私も似たような危惧を抱いている。
限られた狭い範囲の暮らしの中からでも「日本の存続の危機」を実感してしまう昨今の状況。
危機感と無力感を感じているのは、私の思い過ごしかと思っていたが、
私と同年輩の有名人たちが公にそう述べているところをみると、
私一人の大げさな思い過ごしでもなさそうだ。
宗教学者の中沢新一氏がほぼ10年前に
「50歳を境に日本の伝統文化の継承が途絶えている」と発信していた。
現在で言うと60余歳を境に、日本人としての伝統的な精神文化が途絶えていることになる。
いま、あの「国家の品格」を著した藤原正彦氏の著書「この国のけじめ」を読んでいる。
大いなる共感を抱いて読みながら、同時に、日本の現状に対する憂慮がいっそう深まって行く。
ちょっと前までは、この日本の誇れる伝統文化を滅ぼしてはいけないと、
私も微力ながら懸命に周囲の若い人たちに持てる限りの知識と知恵を伝えようとしていた。
今はどうだろう。
伝えようとする意志があっても、耳を傾けようとする相手の意思が無ければ、
それは空に消えるシャボン玉と同じこととの諦めが勝っている。
全ては幼いころからの "教えと導き" が重要。
そこが破たんしている今、日本の消滅は時間の問題かもしれない。
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