自然遺産としての登録はできなかったが、昨日、富士山が文化遺産として世界遺産に登録された。
大喜びする関係者の映像を視ながら、私の胸中は複雑。
富士山を大々的に宣伝して多くの観光客を集めるのは是か非か。
今から10数年前、初めて富士登山をした時のこと。
五合目から頂上まで、まるで蟻の行列さながらに連なる人の数に驚いた。
登山道は、都会のラッシュも顔負けの混雑ぶり、前に進もうにも進めないほどの渋滞だった。
登山の心得のない人でも富士山に登れるのは7・8月の二ヶ月間。
山の状態に恵まれるのは7月下旬から8月上旬のわずか二週間くらいである。
当然、観光会社はその時期に集中的に観光客を送り込むと思われる。
山頂までの蟻の行列は、今後ますます、ひどくなるのだろう。
富士山の裾野で、お商売を生業とする人々にとっては、
世界遺産に登録されたことで見込まれる観光客の増加は慶事であるに違いない。
願わくば、富士山およびその周辺が、遠慮会釈なく踏み荒らされることの無きように。
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