言葉を失うほどの残酷さ

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NHKスペシャル「未解決事件」第3弾 尼崎殺人死体遺棄事件 21:00~22:30 を視た。

 

関係者への取材から再現ドラマが製作されて放送されていた。

テレビ放送では生々しい表現は避けられていたが、

実際に行われたことは想像を絶する地獄であったことだろう。

 

本来なら、かばい合い助け合って生きて行くはずの家族や肉親。

そこに存在する僅かな亀裂につけ込んで、人間関係をズタズタにした角田美代子という女。

自らが手を下すことなく、心理を操って肉親同士で殺し合うように仕向けたその手口には、

心臓が凍りつくようなおぞましさを感じる。

 

人間はなぜ、ああまで冷酷残酷になれるのだろうか?

そうならない為には、いま、何が必要なのだろうか?

 

番組のまとめでも言われていたが、

私たちが今生きている社会では、同じような事件がた易く起こり得る状況にあるのだ。

 

人間の慈愛や慈悲の感情とは、生まれながらに備わっているものではなく、

成長の過程で学び育まなければ会得できないものだと思う。

そうした性情が欠けている人間が増加しているように感じるのは、

私だけだろうか?

 

これを簡単に【世紀末】だとか【末法の世】だと言って傍観していて良いものだろうか。

それとも、この事件で、角田元被告が複数の家族を崩壊させたように、

人類きょうだい全てが、滅亡に至るまで、相責め合い殺し合うことは避けられない時代になっているのか。

 

具体的な欲望ばかりを膨張させるのではなく、

抽象的で飯のタネにはならないけれど、

今こそ私たちに必要なのは 哲学 だと思う。

 

 

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このページは、tsuyuが2013年6月 9日 22:42に書いたブログ記事です。

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