東京は新宿でハトを轢き殺した運転手が通行人に通報され逮捕されたというニュースを知って、正直なところモヤモヤしている。
地方でもそうかもしれないが、都会のハトは歩道で何かをついばんでいるときに10センチの近くを人が歩いても飛びたたない。ときどき私は「蹴とばそうと思えば蹴とばすのは簡単かも」と思いながらそばを通り過ぎている。
管理人業を始めた頃、管理する物件に大量のハトが棲みついて困ってしまった。「ああ、これからずっとハトの糞の始末が業務になるのか......」と落胆していたが、2-3年過ぎるころにはハトは飛来しなくなってホッとした。
当時は勤め先最寄り駅の駅前にもハトの大群がいた。仕事帰りに駅前で大量のエサを撒いているおばあさんも見かけた。今はエサを撒く人もいないしハトもまばらになっている。行政が駆除したのか自然に棲みかを移動したのか、それはわからない。
私は田舎育ちだから野生の生物は野生であって人間とは価値観や道徳観や衛生意識は共有できない存在であると思っている。それを踏まえたうえで『共存できるかできないか』なのだが、人間も地球の自然の上に数と力で他の生物を圧倒して生きている生物に他ならない。単純に言えば生物は我が命を守ることが最優先で動いている。その厳しい生存競争において、倒された者に『哀れ』の感情が生じるのは人間の人間たる証拠であろう。が、『哀れ』が行き過ぎると自分が倒されることにつながることもある。最近のクマやイノシシの人的被害のように。
難しい......
勤務マンションのハト飛来に対応していた時に来てもらっていたハト被害対策業者に「焼き鳥にして食べちゃおうか」と冗談を言ったら「ばい菌だらけだから駄目だよ、ハハハ」と言われた。
つい先週のこと、出勤途上に人気ラーメン店の横を通り過ぎようとしたら大きなネズミが死んでいた。
私は決して動物を毛嫌いしているつもりはないが、邪魔だと思えば「シッシッ」と追い払うことさえ罪悪感を抱かねばならないとすれば動物愛護を声高に叫ぶ主張に困惑せざるを得ない。
ハトが1羽轢き殺されたことが事件になりニュースになったことにモヤモヤしたという話。
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