知人のA子がため息交じりにつぶやく。
「私の姉って、私がニュースを見た感想を一般的な話として話そうとしているのに、いつも話している私を否定したり茶化したりするような受け答えしかしないのよね。その件に関しては私はこう思うという答え方はしないわけ。だからいつも、姉と話した後にはモヤモヤした気分しか残らなくてね」
うん、そうかそうかと頷く私。
そのお姉さんはA子のことを対等に見ていないんだよ、きっと。
年かさのきょうだいは、生まれた時から自分が年上で経験も先にしているのだから、弟や妹より何でも上だと思っているしそう扱われたい。でも残念ながら妹や弟の方が人生経験も広く深いせいで視野も広い場合もある。
A子のお姉さんは幸か不幸か人生にさほどの波も無い暮らしができてきた。だからどうなのと言われそうだけど、人間半世紀もやってりゃ2つ3つ5つ6つの歳の違いなんてチャラだよね。どう生きて来たかが言動に反映されるわけで、そのことを相手にも自分にも認められる人が好い歳の取り方をしていると言えるんじゃないかな。
相手の人生の深浅を察知でき、我が身の越し方にも想いをいたせる人なら、対人でマウントとろうなんて恥ずかしくてできないはずだよね。
人の話は予断を抱かずにまず聞く、そして、いま俎上にのぼっている話題の件に関する自分の考えを返す。どっちが正しいなんてない。百人いれば百通りの受け止め方があるってことを念頭に置いておくって大事だよね。
自分に害が及ぶ話でなければ上から目線で相手を否定してマウントとるのは愚かな行為でしかないよね。だって、現にA子の姉への信頼は揺らいでいるのだもの。A子は今後次第に姉とは距離をおいた付き合いをしていくつもりだと言っている。
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