今回の新型コロナウイルス対応に関して、IT技術を駆使した国の評価が高いことが報道されている。一方で、日本がIT後進国であったことが露呈した、とも。
オフィス・ワークも教育も、これからはオンラインを整備することが前提のあり方に変化していくのではないかという方向性が見えてきた。
私はこのことに期待している。
今「三密」を避けようと呼びかけられているが、もともとこの「密集・密閉・密接」は日本人が大好きな「一堂に会して、さあ皆さんご一緒に」であり、周囲の顔色や空気を読みながら自分の態度を決めるという行動に発展していく。それは、その場の雰囲気に沿わない言動をする人間を多数の無言の圧力で排除する行動につながることが多いように感じていた。
本来、創造的な発想というのは集団に溶け込んでいては生まれにくいものだと思う。異質な存在や意見が自由な言動を発揮できることから周囲が触発されるということもある。
日本のこれまでの社会(教育の場においても)は団子の串に刺さらない外れ団子を無視するようなところがあったと思う。これがイジメという陰湿な疎外や攻撃を生んできたのではないかと、自分の経験から感じざるを得ない。
個々人では好ましい人も、集団の中に溶け込もうとすると突出しないように周囲の動きを敏感にキャッチし過ぎるがゆえに生産的ではない行動に及んでいたということもあるのではないだろうか。
新型コロナウイルス対策としての「三密」禁止ではあるが、これからは日本人も『個』で思考したり、行動したり、発言したりすることが当たり前になることを私は期待している。そのことが、このところ長らく問題になってきたイジメを減らすことにもつながりそうな気がしているから。また、才能ある「出る杭」が力強く上に伸びることができるようなシステムもIT社会は実現してくれそうな予感も感じる。
今回の世界的な災厄を嘆いたりぼやいたりするばかりではなく、自分が、そして地域が国が、時代に即したようにいち早く変化するキッカケになれば良いのだが。
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