こんなに雨脚が強くなるなら、頭からスッポリ被(かぶ)るレインコートを持って出れば良かった。それに、折り畳み傘ではなく普通の雨傘にすれば良かった。そんな後悔をつぶやきながら用事を片づけてきた。
バス停から自宅までの間にあるスーパーで夕食の買物。ここは全ての商品の値段が少々高め。でも、日用品まで揃う自宅近くのスーパーはここしかないので、たいがいの物はここで買っている。
レジ清算を終えて袋詰め用の台が空くのを待っていると、年の頃70代と思しき男性が箱詰め中。選んだ段ボール箱がやや小さかったと見え、入りきらない食材が4-5点台の上に転がっている。と、そのおじさん、ツカツカと店員のいないレジの横に吊り下げられているレジ袋を一枚めくり取った。ちょうどその瞬間、(この人どうするんだろう。早く台を空けてほしいんだけど・・・)と思いつつ視線を投げかけていた私と目があった。目元に浮かべている笑みを見ると、さほど悪気なくレジ袋を失敬しようとしている様子。
見て見ぬふりをすべきか、それとも・・・と一瞬思ったけれど、こうした時に黙って見過ごせないのが私の性分。とはいえ、相手に恥をかかせてもいけないので、いつも声の大きい私にしては控えめな音量で「あのお、ここはレジ袋有料ですよ。3円です」とおじさんの顔を見ながらつぶやいた。
ま、その直後に彼がレジに行って支払いを済ませたので何事も無く終わったけれど、ちかごろは滅多なことで他人の行為を注意したりはしない方が良い時代。私のように "黙っておれない症候群" の人間にとっては、人なかを出歩くと(ひと言言いたい、でもやめとかなくっちゃ)という場面に多々遭遇し、喉(声帯)がムズ痒くなることしばしば。
おにいさん(いや、おじさん?それとも、おじいさん?)、ごめんね。私と目があったのが運のつきと諦めてね。
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