テレビニュースでコンビニが店員確保に困っているという。
そこで目を付けたのが元気なシニア世代。
先日は、外国人をコンビニ店員に採用する会社が増えているという話もあった。
確かに、労働力が不足しているなら働こうかいねと思うシニアもいる。
年寄りがお金を持っていると世間は思っているらしいが、そんな年寄りばかりではない。
ギリギリ自分の老後生活は賄えるシニアでも、
子らの生活が厳しければその親の暮らしも厳しいものになる。
オレオレ詐欺が電話してきても出せるお金がなければ騙されようもない。
働ける限りは働かねば、そういう状況で働くことを選択しているシニアもいる。
決して道楽で働くわけではない。
今回定年後の転職をしてみて、
シニア世代の雇用や労働条件などの現実が少しずつ見えてきた。
高齢者を雇用すると会社は国から補助金を支給される。
これは、障がい者を雇用しても同じ。
しかも、高齢者も障がい者も支払われる賃金は低く抑えられている。
こちらの弱みに付け込んでいるとしか思えない。
では、高齢者や障がい者の特徴に合わせて、
仕事は軽微で責任の軽いことを任せているのかというと、
必ずしもそうとは言えない。
厭なら辞めてもらってもいい、きっと会社にとってはそれくらいの対象なのだろう。
今回の仕事に入る前に、丁寧な研修を5日間してもらった・・・と私は思っていた。
しかし、現場に配置されてみると、
研修は駆け足で現場の実情に即当てはめられるものではないことが分かった。
それでも現場は日々動いて行く。
「知らないから、不慣れだから」で済むことではないことばかり。
そして、会社も現場に着任して早々から、一人前の扱いをしようとする。
本社または支店のオフィスのデスクから、現状も確認せずに指示を出してくるのだからたまらない。
『事件は現場で起きている』 ムムッ、どこかで聞いたセリフ・・・
デスクワークの人間ってぇのは現場(現業)の出来事や人間をいとも簡単に見下してくれる。
じゃあ、お前やってみろ!と言いたくもなるが、
彼らは自分の立場が逆転することなど無いと思っているから、
現場の問題を理解しようという"無駄"な動きはしない。
特に、最近会社に正規雇用されるのは20-30代の若い世代の限られた人数。
その下で働くシニアとしては精神の消耗ハンパない。
年寄りと言うのは、自分の子供や孫のことを考えると、
ついつい若い者に気を遣ってしまったりしがちなのだ。
では反対はあるか、つまり、若い社員が年寄りのパートに気を遣ってくれるのかということ、
まず、それは期待できない。
しかも、要求される仕事の量や内容と雇用契約条件(労働時間・給与)がつり合っていない!
下手すると正規雇用社員より過酷な労働を強いられている場合もある。
そりゃあ、さまざまな社会経験や被雇用経験を経てきたシニアですから、
まったく新しい仕事だとしても、引き継ぎさえちゃんとしてもらえれば慣れて行くのは早いはず。
だから、説明すべきところはちゃんと説明しろよ!と言いたい。
説明も無しに実務を次から次に押し付けてもできるわけないじゃん!
それはシニアの個人能力があるかないか以前の問題でしょうよ!!
それにねぇ・・・次から次に仕事をさせようとしても、あんな報酬じゃあ無理。
『こき使いたいなら金をくれ!』って、これもどこかで似たようなセリフが・・・ありましたっけ(苦笑)。
そう言えば、昔「金のたまご」と言われて高度経済成長に貢献した世代が今やシニア。
そして再び労働力として期待されているなら、今度は何と呼ばれるのだろう?
「金のたまご」では、ちょっと厚かましいかな?
じゃあ「金の老鶏」か?
いやいや、「金」は厚かましいかな?
じゃあ「銀の老鶏」か?
「銀」も厚かましい?
では「銅の・・・」でいかがでしょう?
とにかく、シニアを労働力としてあてにするなら、
それなりの労働環境と雇用条件を整備してほしいものだと思うようになった。
こういう労働の現場の問題をわかっていないのはどこの誰なんだ!
「責任者出て来い!」って、これもどこかで聞いたような・・・
なかなか難しい時代ですなあ・・・
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