1-2年前、「おばあちゃんの原宿」として話題になった巣鴨に行った時の事です。
巣鴨のことは30-40代のころから知っていましたが、
「わたし、まだ 《おばあちゃん》 じゃないし」ということで足が向くこともありませんでした。
しかし、還暦近くなる頃に思い立って訪れて以来、年に一度は行くようになりました。
とげぬき地蔵さんにお参りしたいというのが当初のきっかけです。
お地蔵さんは子供を守ってくれる仏さまで、毎月4のつく日がお参りの日だと実家の母が言っていました。
母は、早くに父親を亡くした孫たち(私の息子二人)の幸せを願って、4のつく日の地蔵尊参りをしてくれていたのです。
いま振り返ると、なんと有り難い母の心。
さて、お参りが済んだら道の両側に並ぶ商店街を覗いて来るのがおまけのお楽しみ。
並ぶ商品はいかにも高齢者向け。
でも、それらの品に拒否反応なく関心を持つようになったということは、
巣鴨の商店街で売られている商品の対象年齢に私が近づいた証拠でしょう。
そんな巣鴨で必ず買うのがニンニクです。
青森産で粒の大きいニンニクは、普段利用する店ではなかなか手に入りませんから。
この店には満足しています。
ただ、この巣鴨で利用した一軒の店で嫌な思いをしたことがあります。
それは蜂蜜専門店での出来事です。
その店に入ったのは気まぐれだったのですが、数点の品を購入。
いずれも、かなり値段のはる品ばかりだったので、お手頃価格の品を選びました。
レジで支払をする際に「会員証を作りますか?」と言われましたが、断りました。
若い女性がレジを打って対応してくれている時に、その後ろからベテラン風の女性が何やら紙をすっと置いて行ったのです。
するとレジを打っていた女性が「これに記入してください」というので、何も考えずに私は自分の住所などを書いてしまいました。
会員になることは断ったし、ここは巣鴨だし、まさか年寄り相手に個人情報の悪用など・・・・・
その時、なぜ疑いも無く住所・氏名を記入してしまったのか、自分でもわかりません。
田舎育ちでお人好しな私の間抜けぶりが顔をのぞかせてしまったのでしょう。
そのころは精神的にやや不安定な時期で、何をするにもボーっとしていたような気もしますが・・・
帰りの電車に乗ってしばらくして、不安を伴う後悔がおそってきました。
もう一度引き返して、住所・氏名を書いた紙を取り戻してこようか・・・と悩んだのですが、
結局そのままにしてしまったのです。
その後どうなったか、
定期的にカタログが送られてきます。
そのカタログが届く度に、あの日すっと何も言わずに紙を置いて行ったベテラン風の女性のやり方を思い出し、
それにまんまと個人情報を記入してしまった自分の間抜けさを思い出して不愉快になります。
私の場合は今のところ、不要なカタログが届くということで済んでいますが、
高齢になると注意力や判断力が衰えて来るので、よほど気を付けなくてはと自覚させられた出来事です。
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