『沈黙すればするほど人は豊かになる』 ラ・グランド・シャルトルーズ修道院の奇跡
杉崎 泰一郎(すぎざき たいいちろう):著 幻冬舎新書
↑ この本を読み終えました。
フランス南東部の山奥で900年前と変わらぬ修道院の暮らしが展開されています。
その地を訪れ(修道院の中には入れない)た著者が分かりやすくその修道院の生活を紹介した本。
生涯を修道院の個室と院内のみの生活で終える修道士たちの暮らしは、
牢獄の独房へ閉じ込められたと同じように悲愴なものかというと、そうではないと筆者は述べています。
修道院生活の意味を述べるために、20世紀の思想家アランの『幸福論』を参考に挙げています。
・・・幸福になるのは人の使命で、そのため行動する必要があり、
怠惰は悲観主義を生むと考え、その秘訣を93の短いコラム(プロポ)と呼ばれます)にまとめました。・・・
最終章の最後に著者はこうまとめています。
(ここから転記)
本書では 『シャルトルーズ修道院慣習律』 『大いなる沈黙へ』、 ディスマ修道院長のお話と、自らの旅の記憶をおりまぜて、
最も厳しく、最も静寂で、最も幸福な修道士たちが住む ラ・グランド・シャルトルーズ修道院 の歴史と現在の様子をご紹介いたしました。
(転記終わり)
この本を読んで私の頭に浮かんだ言葉は、
「選んだ孤独は良い孤独」(先だって朝日新聞「折々のことば」で紹介されたフランスの言いならわし)
「足るを知る」 (老子 第三十三章) (← これはこの本の作者も文中に引用しています)
の二つです。
子どもの頃から独り静かに思いを巡らす時間が自分にとって一番充実して幸福だと感じる私には、
修道士たちの個室生活がうらやましくもあり・・・
**************
天気予報では、おそらく見えないでしょうと言われていた今夜の中秋の名月
名月と口にすると思い出すのが「名月をとってくれろと泣く子かな」という一句です。(作者忘れました)
流れる雲の切れ切れからではありましたが、何とか月の姿を見ることができました。
十五夜の月に重なることはできませんでしたが、
もう何年も花が付いていなかった月下美人に蕾があることに今朝気づきました。
かれこれ10数年前に、我が家のベランダで、名月と月下美人を同じフレーム内に写した写真を今も部屋に飾っています。
コメントする