今夜9時からのNHKスペシャルで介護殺人を扱っていた。
近所でも、10年くらい前に二件の介護殺人があった。
一件は、老母を手にかけた独身の息子。
もう一件は、老妻を手にかけた高齢の夫。
今は、両家とも解体されて新しい分譲の戸建てが建っている。
事件発生当時、私はまだ自分の老いを真剣に実感することは無かったが、
最近その近辺を通るたびに事件のことを思い出してしまう。
人生が日没近くに差し掛かった者のほとんどが願うことだと思われるが、
私もまた、できれば誰の手も煩わせることなく、ローソクが燃え尽きるように消えていきたい。
こう考えるのは決して悲観からではなく、
だからこそ、脳も体も使えるうちに使いきるように生きて行かねばと思っている。
穏やかな終焉を神仏に祈るようになって、私もいよいよ老境に差し掛かってきた。
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