数年前から、元日には NHK Eテレ深夜「ニッポンのジレンマ」を視聴しています。
番組が始まった当初は、"若いもんの言うことだし・・・"との先入観もあり、素直な気持ちでは向き合えませんでした。
若い人の、人を刺すようなあの早口に、内容を理解しようとするより先に反発を感じていました。
ところが、今年の議論の様子は違っていましたねぇ。
発言者の話しぶりもハッキリしていて、こちらも落ち着いて議論の内容に耳を傾けられたし、
何より、数多く使用される外来語の説明が画面に表示されることが理解の助けになりました。
(しかし、なんであんなに外来語を会話に挿入するかねぇ・・・)
今回は、いろいろと今後の社会進展の姿に参考になる話が多かったです。
特に、人工知能と生身の人間との今後に関しての話は興味深いものでした。
究極、人工知能があらゆる分野に進出したら、人間の存在意義はどうなるのかという点では、
案の定、明快な将来像は描けませんでしたが、面白い視点での議論になりました。
宗教に関しても取り上げられていて、日本人の宗教観を若い人たちが冷静に分析していました。
絶対的な信仰の対象が存在するキリスト教やイスラム教などの一神教に対して、
あらゆることを懐疑的に考えて、自分の存在を無に近く導いて行く仏教との違い。
善か悪かの二者択一の宗教と、あれもこれも在りと認める日本の仏教の間に理解は生まれるのか?
これからは「日本人の心の弱さ」が日本を窮地に追い込むかも、との指摘もありました。
「日本人の心の弱さ」とは、良く言えば「優しさ」とも言えますが、
二者択一を迫られる場面では「優柔不断」と受け取られ、対等の相手にされないかもしれませんね。
最後まで興味深く視聴しました。
最近、高齢の評論家や論客の議論番組が面白くないと感じています。
それに比べて、若い人たちの発言が面白く、なおかつ興味深く参考になっています。
アナログからデジタル社会に移行して、時間の経過とともに経験が積み重なり、状況の解説が可能になってきたのでしょう。
それはまさに、
生まれた時からその環境に暮らしてきた若い人でなくてはできない分析であり解釈・解説なのでしょう。
ただ、アナログに生きてきた高齢者の思考や経験の価値が低下してわけではなく、
昨夜の議論にも出ていた意見ですが、
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