中野孝次:著 「ぶれない生き方」を読書中。
随所に共感する内容があるが、今日は下記を抜書きしておこう。
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P.211
(前略)
総じて現代の流行を嫌厭(けんえん)し、古い昔を懐かしむのは老人の常だが、
わが身においてもそれが年々にひどくなってきたようである。
けれどもわたしは別にそれを悪い傾向だとは感じていない。
生きる場は「今ココニ」しかないが、
「今ココニ」生きながら二千年前の哲人とも相対することのできるのが、
古典読書のいいところである。
実社会を生きてゆく上で情報は不可欠だが、
あまりに過多な情報はかえって人を誤らせる。
時には情報など全部棄てて、情報とは無縁な閑暇の中に身を置き、
心の声に耳を傾けることがないと、人は世に流されるだけになってしまうぞと、古人は教えている。
わたしの場合はただそれを遵守(じゅんしゅ)することが過ぎて、とかく現代嫌悪に傾きがちなのだ。
過ぎたるは及ばざるが如しとは、このことか。
(改行は、WEB画面で読み易いように、本ブログ筆者:露草が変更)
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知識や情報、そして所有する物品や人間関係にいたるまで、
多ければ多いほど良いというものでもない。
人一人が対処できる量には限界がありそうなので、
そのあたりを見極めながら、
自分の処理能力に見合った量の中で心の落ち着きを保つことが良さそうだ。
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