宮本常一:著の「忘れられた日本人」を読み始めたばかりです。
仕事や家事など、諸々の日常生活の合間に読むので、遅々として進みません。
ただ、読み始めていきなり、懐かしい昔の農村の有様が、私の脳裏によみがえってきました。
(私は、農村生まれですので)
(昭和26年調査・・・)などの記述があるところをみると、
どうやら、私が生まれ育ったころに、宮本常一は聞き取り調査に歩いていたようです。
冒頭、対馬の調査で、村の寄り合いの話が出てくるのですが、
わずか数時間の会議で白黒結論を出すのではなく、何日もかけて、
立場の上下を超えて、村民が言いたいことを述べ合う。
その間には全く別の話も挟まれたり、途中でひと眠りする者あり、一旦帰宅して来る者ありで、
「あーでもない、こーでもない。そう言えばあの話はどうなった」など、
互いの経験話や持論展開などで行ったり来たりしつつの最終決定に至るという、
言うならば【直接民主主義】に近いような話が出てきます。
また、村の年寄り(宮本の表現によると60歳以上が年寄りとなっている)が、
村の揉め事や、困窮者の救済や、村民の悩みごと相談などに対して、
如何に大きな役割を果たしていたかについても述べられています。
まだ、読み始めたばかりの段階で、既に、「忘れられた日本人」という表題で、
宮本常一が、どのような日本を書き残そうとしたか、を予測することができるような気がします。
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