インターネットに自らも発信するようになって13年の歳月が過ぎた。
始めは、見ず知らずの人といきなりやり取りできることに興奮し、
熱中してパソコンの中の世界にはまり込んだ。
ネットの発言がすべて真実だと思ったわけでもなかったが、
やはり現実に会ってみなければとの思いでオフ会にも参加してみた。
そして、多くの人はネットの中の匿名の世界では度を越してはしゃいだり、
嘘をついたり、現実ではとてもしないであろうと思われるような攻撃性を表出することを知った。
かれこれしているうちに、ネット社会の欺瞞性に嫌気がさして、ほどほどの距離をおくようになった。
いまだにこうしてネットで発信を続けてはいるが、
自分の発信が自分の意図したように伝わることは期待していない。
それでも、ネット社会を全否定はしないつもりだ。
もはやそれ無しではあり得ない時代であることは理解しているから。
いまやネット交流は携帯電話やスマホなど移動しながら常時簡易に使える機器によるもののほうが多いらしい。
そして人々はいたるところで四六時中小さな画面に指を滑らせながら、ひたすら文字を追っている。
リアルな人間が傍にいてもリアルな道を歩いていてもリアルな乗り物に乗っていようと、
周囲に関心を払うことはない。
「だからどうした」と言われて突き放されるだけのことを自分はここにあえて述べている。
時が後戻りすることはない。
ネットが発端でどんな険悪なことが起ころうと、ネット以前には考えられなかった夢のようなことが実現しようと、
その道具を使っている時代の住人が対処していくしかない。
次々に発表される新しい通信手段や機器に、もはや私が手を出すことはないだろう。
時代の激流から徐々に緩やかな淀みに移行していることを自覚するようになった。
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