大地が揺れた
そこにいるのが
当たり前だった人々が
大津波にさらわれて
そこにいなくなった
街が消えた
村も消えた
信じられない
信じたくないことを
いまわたくしたちは
真に起きたことと
認めなくてはならない
夜の闇を明るく照らし
便利な生活を
支えていたものに
わたくしたちはいま
脅かされている
これからわたくしたちは
何を取り戻し
何を手放さなくてはならないのか
「神さま、どうぞ教えてください」
額ずくわたくしたちに
神さまはこたえるだろう
「想え そして 生きよ」と
喪失の悲嘆にくれる人にも
夜明けは平等に訪れて
時は歩みを止めることはない
せめてわたくしの心の中に
墓標を建てよう
あの日限りで時の歩みを止められた人々の
無念の墓標を
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