今年、新聞のテレビ欄に「ハーバード白熱教室」なるタイトルを偶然見つけて視聴したのがきっかけで、ある問題に関して(ああか、こうか)と考えてみることの楽しさに再び出会うことができた。
問題を提起してああでもないこうでもないと日常会話で論ずると、だいたいにおいて「どこか違う場所で勝手にやって」と言われたり、場の空気が白けたりする。論ずる相手がいたのは40?50年前の高校時代まで。それも男子が相手のことが多かった。私にとっては、どんな雑談や娯楽よりストレス解消の時間だった。
ある問題を論ずることは、敵を作ることではないし恨みを残すわけでもないことが原則。多くの場合、その議論で結論を得ることは望んでいないし、まして、何かことを起こすために議論をするわけでもないから。そうした非生産的な議論によって思考を鍛えてきたような気がする。
「ハーバード白熱教室」は、そんな昔の自分を目覚めさせてくれるような番組だった。そして今夜は「ハーバード白熱教室の衝撃」と題して、あのサンデル教授の授業が日本人に与えた影響に関して取り上げていた。私はめったに「若さ」を羨むことはないが、今回ばかりは、若くしてあの教室に居合わせてみたかったと、学生たちを羨ましく思った。
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