(相手を立てる。相手に名誉を譲る)行為を「花を持たせる」と表現する。我が我がの時代においては、もはや出会うことも少なくなった行為であり表現とも言える。
この「花を持たせる」という表現においては、美しい花という実体を名誉という抽象の象徴的な表現として使っているわけだが、実体の花でも抽象的な名誉でも、持たせてもらった側が喜ぶことには変わりがない。
というわけで、過日頂いた黄色い花を見ながら考えたこと。大げさな名誉の獲得や立場を持ち上げてもらうという効果を伴うできごとではなかったにせよ、私の気持ちはささやかに高揚したわけで、「花を持たせる」の言葉の発生にはこうした現実行為が基になっているのであろうと想像してみた。
何にせよ、人が喜ぶ行為を、それと意識せずに行えることは真に美しいことと思う。
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