このごろ世間を騒がせるアレヤコレヤ、多くの年寄りは胸に抱える思いがさまざまあることでしょう。しかし、なぜか年取ると言葉数が少なくなります。自分自身が若い頃に年配者のアドバイスや経験談を軽んじた結果どうなったかを、それぞれが身をもって知っているからです。自分が高齢になった現状が、「だから、言わんこっちゃない」と、かつての年配者に言われそうな結果でも、それなりに乗り切って人生の終盤を迎えているわけで、「ものごとはすべてなるようになる」と身に染みているから、易々と後輩に助言などできないのです。
それにしても、我が国も世界各国も、どこへ向かって行くのでしょうね。まさに『方丈記』です。「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。」
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