もう3-40年前に読んだ本に「生活に必須の製造関連業を他国に頼る国は亡ぶ」という内容があった。当時、日本は、人件費が安いからと言う理由で、あらゆる物資の製造拠点を韓国や中国や東南アジアに移行させる企業が増加の一途をたどっていた。その一方で、国内では日本人の若者の就職が困難になる状況が深刻になりつつあった。
私が読んだ本が想定していた国はアメリカだったと覚えているが、当時の日本の進んでいる方向から、いずれは我が国にあてはまる記述だと感じた。
いま、新型コロナウイルス対応に苦戦している日本の医療状況をニュースで見ていて、医療マスクや医療ガウンや防護服の製造の殆どが外国に頼っていたという現実に愕然とし、くだんの言葉が頭に再び甦っている。
日本は、国民の健康と安全を守るために必須の物資まで外国に頼り切って何の戦略的防衛策もとっていなかったのか・・・薄々は感じていたけれど、それが事実であったことをまさに今、目の当たりにしているわけだ。
どれだけこの国が「お花畑の夢見る夢子(夢夫)さん」だったことか!
経済経済と、数字ばかりが躍る景気話が毎日のメディアの話題を占めていたが、それも株価の上下に一喜一憂するばかりの、日々の庶民の暮らしとは程遠い机上の経済にしか思えなかった。
この緊急事態において、国民の健康を守る最前線の医療現場に回すマスクさえ供給できないのに、一般の国民が買い求めるマスクなど望みようもないのは、この国の過ぎし日の在り方を振り返ってみれば当然の帰結だとしか思えない。
新型コロナウイルスが、我々に教えることを真剣に考えたい。
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