『僕は9歳のときから死と向きあってきた』 柳田邦男:著 新潮社:刊
死生観とは人がこの世にあるうちに完成することはないのだと思う。
何度も何度も繰り返し「生きるとは・・・」「死するとは・・・」と問いかけ続けることで紡がれていくもののような気がする。
人生の意味を問うことは、すなわち、死の意味を問うことだと確信するようになった。
この書の中で著者が「自分の死を創る」時代の提言をしている。
振り返れば自分も、この本の著者:柳田邦男さんと同じように、
小学校4-5年の頃から常に死というものに向き合って生きてきた。
世間的にみれば底辺を這いずり回るような人生かもしれないが、
常に死を意識し考え続けてきたことが折々の経験を意味あるものとして感じさせ、
現在の年齢まで歩みを止めずに来られた原動力だったような気がする。
人間というものは【物語】を語らなければ理解できない。
自分のためにも、他者との理解のためにも。
そして、【物語】のために有効な方法が【書く】ことだと柳田邦男さんもこの著の中で述べている。
他人に読ませるためではなく、
ただ自分の考えを整理し、生きる指標として脳内に根付かせるためにも【書く】という行為は有効である。
死を考えることは今を悔いなく生きることである。
改めて強くそう想う。
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