職場に、困った傾向の見られる女性がいます。
40代後半の彼女は、まずもってお喋りばかりで日を過ごしています。これがまた口が上手いから、一部の人は彼女のことを(良い人)だと思ってしまうのか、何人かは彼女にアレコレ聞き出されたり自ら話したりして情報を与えています。だから、彼女は職場の情報通です。その情報を漏らさなければ良いのですが、話した本人が漏らしてほしくないところへ漏らしてしまうのです。
その女性はひどい悪人ではありません。
でも、知恵の使い方が姑息なのです。情報をあちらこちらにばらまくのは、自分の怠けを無意識のうちにカムフラージュしようとしているようにも思えます。知恵や情報を仕事に生かして、懸命に汗を流せば良いのにと思いますが、彼女は決して汗を流しません。一日中、動いているのは口ばかり。
口と言えば、飲食関係に意地汚い面も気になります。
職場には、休憩場所の棚に、所属グループごとでお菓子やインスタントコーヒーなどをストックしています。それぞれのグループがお茶代を出し合って補給しています。メンバーはそれぞれ、手の空いた時に別々に休憩するので、誰がどれくらい消費したかには無関心です。
件の女性とほぼ動きが同じ時間帯になる私は、ある日、気づいてしまったのです。彼女が、同僚たちの無関心を知ったうえで、各グループの棚から少しずつを失敬していることに。
私はズルが嫌いです。他人の為にわが身を削ろうとも、他人の犠牲をわが身の楽に利用するなんて、私の道徳観からは考えもつきません。だから、彼女の「仕事をしていない」「他人の秘密を利用して自分の立場を守っている」「人の目を盗んでチョロチョロと物を掠めている」などの性癖に、吐き気がするほどの嫌悪感があります。
でもね、表面上の取り繕いに関しては抜群の演技力のあるその女性に、私のような単純バカは太刀打ちできません。だから、ヤンワリ・バッサリ指摘することができないのです。「見て見ぬふり」をし続けるもどかしさ・・・正面切っての正義ばかりでは生きていけない人間社会なのですよねえ・・・
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