キネマ旬報社の映画館で二本の映画を観てきました。
10:00~ 「愛、アムール」
一口に言ってしまえば【老々介護】の話です。
と簡単に話を終わらせることができない映画です。鑑賞する人の年齢で感想には大きな隔たりがあるでしょう。主役の夫婦と年齢が近いか、もしくは、この問題が近くに迫り来ていることを感じ始めた年代には他人事ではない話として、国や文化の違いを超えた何かを考えさせられます。
また、老親のある人たちにとっても問題提起できる映画だと思います。
この映画では介護者が夫でしたが、もしも介護者が妻だったなら・・・娘だったなら・・・息子だったなら・・・
日本では既に深刻な高齢社会に入っていて、この映画のような話は身近に多々存在しているのですが、海外のいわゆる先進国と呼ばれた国々では似たような問題を抱えているということでしょうか。
つい最近、日本の女性の平均寿命は世界一だと発表されたばかりですが、心臓が動く限りは(本人がどのような状態にあろうとも)生かされることが幸せとは言えないことも、近年ボツボツと論議のテーマになるようになりました。いわゆるQOLの問題です。
人生を如何に終えるのか。
生まれる時も死ぬ時も一人だと言われることもありますが、どちらの場合も、誰かの手を借りなければならないという現実はあると思います。できることならスーッと、氷が融けて水になって蒸発するかのようにこの世から消えて行きたいというのが私の願いですが・・・
15:00~ 「昼下りの情事」
時間に余裕があったのでクラシック映画セレクション上映の「昼下りの情事」も鑑賞しました。
オードリー・ヘップバーン主演のあの映画です。
直前に「愛、アムール」を観たばかりだったので、こちらの内容の浅薄さが何ともやり切れなかったですね。そりゃあそうです、扱うテーマが全然違いますから。
ただね、「昼下りの情事」でオードリーが演じる若い娘が、最近流行の(年の差婚)を願望する女性と重なって見えて仕方がなかったんですよ。まあ、ロマンティック・コメディですから、そう目くじら立てるほどの話ではありませんがね。「Love in the aftenoon」を「昼下りの情事」と翻訳した翻訳者はさすがです。確かに、あれは「情事」というしか表現のしようがないかも・・・
往年の名女優で日本人にファンが多かったオードリー・ヘップバーンの名作ですが、今日はイマイチ楽しめなかったわたくしでした。
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