"をえない"話

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もはや日本語が乱れているどころの話ではない状況の昨今。

気になって仕方がないのは「・・・を得ない」の読み方。

 

いつのころからか「・・・せざるを得ない」という文の読みを、

「・・・せざるを  得ない」ではなく「・・・せざる  を得ない」

と区切って読まれているのに気が付いた。

 

一瞬「ん?」と、聞き間違いかと思ったが、度重なるうちに確信した。

確かに「をえない」と言っている。

 

「を」は助詞であり、単語の頭につくことはない。

 

このような読み方をしている読み手または発言者は、

はたして文章の内容を把握しているのだろうか?

放送の内容への信頼まで失ってしまいそうになる。

 

イントネーションの移り変わりも気になる。

「クラブ↑」はもはや当たり前になり、いまやNHKのニュースアナウンサーさえ

そう発音しているのを聴いたことがあるほどだ。

 

いやいやそれは「クラブ↓」でしょうよ、というのもはばかられるほどの蔓延ぶり。

 

「熱い」を「あつい↑」と発音するのもしかり。

これはスポーツ関連の発言でよく聞かれる「熱い声援を」で気付いたこと。

「どうか皆さん  あつい↑  ご声援を!」とラジオで呼びかけているのを聴いて、

「んんん?」と思ってからというもの、耳障りで気になって仕方がない。

 

「熱い」は「あつい↓」でしょうよ。

「あつい↑」は「厚い本」などの「厚い」でしょうよ。

 

ああ、ああ、そんなことを細かく指摘するから嫌われるんだよなあ。

 

再び「をえない」に立ち戻り・・・

昔、「おえりゃあせんのう」が口癖だった長門勇という俳優がいた。

岡山出身の彼が発する「おえりゃあせんのう」は岡山弁で「ダメだなあ」の意。

 

「・・・せざる  をえない」なんか言うちょったら、まこと「えりゃあせんが(トホホ)」

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このページは、tsuyuが2012年12月29日 10:51に書いたブログ記事です。

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