「犬も歩けば棒に当たる」とは言うが、当たるのは何も棒ばかりではない。家の中にじっとしていては知りようのない情報も、あちこち出歩けば得られるというもの。今日はそんなことを実感した一日だった。
野暮用で訪ねた先で「今日は弁天さまの豆まきがある」との情報を得た。他に急ぐ用事があるわけでもなし、このところ運動不足でもあることだし、弁天さまにもご無沙汰しているし、ちょっと参拝がてら豆まきを見物して来るか。ということで弁天さまへ。
13:30からと15:30からの二回の豆まき。自分は13:30の回に間に合うように出かけた。寺では読経の真っ最中。外ではそれなりに大勢の人々が今か今かと豆がまかれるのを待っていた。今日は冷たい北風が吹きつけるあいにくの天気。この風だと撒かれた豆は吹き飛ばされてこっち方面に来るかと、誰しもそう考えたのであろう、風下に人が多い。撒かれる豆の中には豪華景品の当たる引換券が入ったものも混ぜられているとかで、人々の関心も、もっぱらそちらのようだった。
撒き人が姿を現した。
私は、行くまでは豆の一つでも拾えれば良しと思ったが、回廊近くに陣取った人々を見て「こりゃあとても拾えないだろう」と諦めた。人ごみの後ろの方に立って豆まきの賑わいを見物するだけで良しとしようと決めた。
案の定、撒かれる豆は回廊近くばかりに落ちる。「やっぱりね」と思って見ていると、撒き人の一人(県議員男性)が、後ろの方にまで豆が届かないことに気配りして、ときどき勢いよく投げてくれる。その中の一つが、私の前にいた男性が伸ばした手をかすって私の胸めがけて飛んできた。まさに「受け取れ」と言わんばかりの角度だった。下げた手をパッと持ち上げるだけでストーンと受け止めることができた。
それは、ひと袋の即席塩ラーメン。ものは何だっていい。これこそ弁天さまから頂いた福に違いないと思えた。嬉しいな嬉しいな。何か良いことがありそうな予感。だって、まさしく「福」が飛び込んできたのだもの。
それにしても、全体を見渡して豆の届きそうにない所にまで気配りできるあの県議、なかなかの人物。こんど改めて名前を確認しておこう。たかが豆まきとあなどるなかれ、人はどこでどう見られているかわからないもんだ。公の立場にある者は特に、心して動いたほうが良さそう。
そのおじさん、福を露草さんに届けたかったんだね。
わたしは露草さんからおそそわけを頂いた気分。
ちょっとした出来事がうれしいね。
追記(訂正)
おすそわけ=お福分け
お久しぶりです、まりりんさん。
>そのおじさん、福を露草さんに届けたかったんだね。
はい、そんな気がします。
そう信じることにします。
ひょっとしたら、私、寂しそうな顔していたのかも。
であれば、尚更、嬉しい!ことです。
「福は内!福は外!」
みんな幸せにな?れ!