いつもひとり
とっちゃんは いっつもひとり。
まわりに大勢の人がいても ひとり。
おいしいお菓子も分けてもらえず、
楽しいことにも 混ぜてもらえず、
ぽつねんと ひとりで蹲(うずくま)っている。
そんなとっちゃんが にこにこ笑っている。
「とっちゃん、ひとりで何がうれしいの?」
「アスファルトのすき間に花が咲いたから」
「空き地のノラとお話したから」
とっちゃんの喜びは いっつも小さなことばかり。
小さくて ささやかなことでも
とっちゃんには 大きな幸せ。
よかったねぇ とっちゃん、
ひとりぽっちじゃないんだね。
(2002/06/18)