2024年(令和6年)12月11日(水)  先負       晴れ

 晴天が続く。20年ぶりの一日5時間以上日照時間の継続記録なのだそうだ。通勤する身にとっては晴天は大いに助かるが、喉のヒリつきや手肌の乾燥には要注意のこのごろ。火災のニュースも相次いでいる。

 高齢になった自分の変化で気付いたことの一つに「腹が立たなくなった」ということがある。腹を立てて怒りを露わにしても事態は好転するどころか、むしろ悪化させてしまうばかりという経験を積んだせいかどうかわからないが、少々のことには強烈な怒りを感じることがなくなっている。「まあ、そんなこともあるよね」という受け止めに終わることが多くなった。

 腹が立たないということは老いの現象のひとつなのかもしれない。感情の波立ちにも体力を使うから、体力が減少すればそれだけ心身の反応も鈍くなっているということだろう。まあ良いじゃないかそれも、年老いてまで感情に振り回される苦労を背負わせないようにとの創造主の配慮と思えば。

 とは言うものの、皆がみな「同様ですなご同輩」とはいかないようで、昨今のニュースを騒がせている高齢者のなんと多いことか!「えゝ歳こいて、えゝ加減にせいよ」と言われてもしょうがないような人物が世界状況を引っ掻き回している。これを『老害』と言わずしてなんと言おうか。

 『立つ鳥跡を濁さず』。静かに穏やかにフェードアウトする姿を見せるのも、先立つ者が後に伝える無形の文化遺産ではないだろうか。