2022年(令和4年)5月25日(水)  仏滅     晴れ

 毎日毎日ウクライナに関する情報を気にしているこの頃、良い方向に向かわない情勢の報道に影響されるかのように無気力が高じて「ウツ」の入口症状かもと感じられる瞬間が生じてきて「危ない危ない」と自分に言い聞かせている。それで多少なりとも持ち直せるのは高齢ゆえの「齢の功」かもしれない。


 花を飾ることから遠ざかって長い時間が過ぎた。植物鑑賞の楽しみは路傍の草花や通りすがりのお宅の植栽で十分だと決めて、自らは植物栽培することを避けている。居住環境の問題が大きいのは言うまでもない。マンションのベランダでの土いじりは、やはり大変。
 そんな近況だったけれど、つい最近、気まぐれが生じてスーパーの店先に並んだ鉢花から紅白の可愛い花をつけたフクシアを一鉢求めてきた。いま殺風景だったベランダに彩を添えている。

 思えば私は自らの生き方を植物から学ぶことが多い。「置かれた場所で咲きなさい」という本のタイトルどおり、植物は自分の足で好きな場所に移動することや芽吹きの場所を選択することはできない。

 人間だってそうかもしれない。

 最近「親ガチャ」などと若い者は言うそうだけれど、そんな若者はどんな親や家庭をうらやんで「親ガチャ」などと自分の親や自分を卑下するのだろう。自分の置かれた環境を他人と比較して妬み羨むことほど非生産的なことはないと思う。

 (社会の空気に揺れ動く)相対的思考に偏り過ぎないように、少々のことではブレない絶対的価値観という思考の根を自分という土壌に張り巡らさねば吹き飛ばされてしまいそうな時代ではないだろうか。

2022年(令和4年)5月6日(金)  先負     晴れ

 私には年末年始以外に長期の連休はない。夏休みも2日が限度。理由はゴミ。ゴミの回収は暦の祝日に関係なく週の指定日に行われるから、マンションの清掃を兼務している私はゴミ出しの為に片道1時間半かけて3時間の業務に出かけて行く。祝日の労働時間は通常日の半分。ま、この年齢で仕事に行けることは幸せというほかないだろう。


 マンション清掃員としての私が一番力を注いでいるのがゴミ置き場。この仕事を始めて5年経つが、そこはキッチリやっているつもり。ゴミ置き場が常に整然と整っていると居住者のゴミの出し方にも変化がみられるようになったと……これは自画自賛。

 「ゴミは文化」だと思っている私が最近気になっているのはゴミ袋の結び目。清掃車に積み込む人の手を煩わせないようにと、小さなゴミ袋は大きなゴミ袋で余裕のあるものにまとめて詰めるようにしているのだが、それには居住者が詰めたゴミ袋の口をほどかなくてはならない。その作業をしていると結び目には個性が出るのではないかと感じるようになった。早い話が、最近の人は結ぶのが苦手?ということ。器用だと言われてきた日本人も不器用になってきたのかもしれないなあ……


 まあ、どんな仕事も長くやっていれば何らかの発見があるもので、それはそれで興味深い。