45年前から持っている岩波国語辞典に一枚のバラの花びらが挟まっている。
これは、実家の庭先に咲いていたピンクのバラの花弁の一枚。
全体は既に茶褐色に変色しているが、ポツポツとゴマ粒ほどのピンク色が残る。
この辞書を開くたびに、この花びらを摘んだ時の自分の心模様と故郷の空気がよみがえるようだ。
ずい分な時が流れたものだ・・・
さまざまなことがあった・・・
よくぞここまで生き延びてきたものよ。
葉脈だけがクッキリ浮かぶ茶褐色の花びらは、私の生きてきた時間に寄り添ってきてくれたんだなあ。
ちょっとした感傷にひたる。
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