若い世代

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これまで テレビの討論番組(政治・文化)の論客と言えば、ほぼ顔ぶれが決まっていたように思います。

一部の主要政治家やその道の専門家と呼ばれる識者など、年配の男性が多い傾向にありました。

 

テレビ朝日に「朝まで生テレビ」という番組があります。

昔は、朝まで視聴する体力気力があったのですが、最近はとても付き合いきれなくて視なくなりました。

 

ところが、今回(4月27日未明放送分)のテーマには少々関心があり、ほぼ最後まで視聴しました。

「ネット世代」を代表する若い(20~40代)人たちが集まって司会の田原総一朗さんと語り合ったのです。

 

何をどう語られたか、それをここに再現したりダイジェストを披露できるほどには記憶していないのですが、

掴みどころがないと言われる若い世代の意見を代弁するであろう人たちのやり取りを聴いていて、

「ほほう、最近の若い世代にはこんな空気があるのか」という漠然とした感想を抱くことはできました。

 

その翌日(4月28日0:00~1:00)NHK Eテレで放送された「ニッポンのジレンマ "絶望の国"の幸福論 希望がないのに幸せ?」も、

発言者の顔ぶれは20-30代の女性3人と男性2人という若い人たちの語り合いでした。

 

こちらも、「なるほど、なるほど、若い人たちはそんな風に感じているのか」という感想を抱きながら聴きました。

 

 

大まかに言うと、戦後の経済成長時代に若かった世代と繁栄した頃の日本を知らない世代の違いは、

(物にせよ金にせよ地位・名誉にせよ)

努力目標があってそこにまい進すればこうなるであろうという人生の歩み方のモデルがあった世代と、

そうした典型的成功パターンモデルが無くなった世代ということが言えそうな気がしています。

 

最近の若い世代の人たちには、

《尊敬する人物》とか《目標にしたくなるような仕事》などという単純図式の指標が無いのでしょうね。

なんだか分かるような気がしますし、気の毒だと思うと同時に、

そうした社会を築けなかった世代の一人としての責任を感じています

 

一方、何でもインターネットで知ったつもりになることができたり、

見知らぬ人とのモニター上のやり取りで相手を知ったつもりになったりする時代に、

忘れられていることは「人間は所詮、動物の一種類である」ということのような気がしました。

 

「人間は動物」というのは、決して我々を貶める物言いではありません。

ネットなら炎上するような話題でも、対面して話し合えば誤解を乗り越えて共感できることもあるでしょう。

目の前の人間の体温や表情や声音に触れながら物事を考えたり行動したりする経験を積み重ねるということ、

これはとても重要なことなのではないかと、私はそう考えています。

だって、宇宙も地球も地球上の自然も、私たち人間でさえ、私たちが創ったものではないのですから、

そこを発想の原点に置いて、

動物としての私たち人間に無理のこないような状況で生きるというのは大切なことではないでしょうか?

 

昨日、一昨日と(若い世代)の意見に触れて、上記のようなことを心の中で独りツイートしました。

 

コメント(2)

露草さん,ご無沙汰しております。

そんなに忙しかったわけではないのですが,しばらくこちらにお邪魔していなかったことに気づきました。「柏にキネ旬の映画館」という記事もなかなか魅力的。それだけのためにも,一度行ってみたい気がします。

「朝生」をご覧になったのですね。さすがに私も,最近はよほど興味のあるテーマでないと,録画しても見飛ばしてしまうのですが,この番組,名前と文章だけで知っている人を生で見られるのが貴重だと思っていました。

もちろん,この番組に慣れていなかったり,合わなかったりすると,ちゃんとした見識をお持ちの方でも発言の機会が獲得できないことがあるのですが,某右翼英文学者の方は,単に場馴れしていらっしゃらないだけでなく,社会問題に関しては大して考えていらっしゃらないのではと(なのに,文章ではどうしてあんなに威勢のいいことが書けるのかと),この番組に出演されたときの様子から思いました。

その後,表舞台に立たれた,福島党首とか高市政調会長とか辻元清美さんとかも,この番組の常連だったなあと思います。この番組に出てくる人の選び方が,本当にバランスが取れているかどうか,疑問がないわけではありませんが,一応「右から左から」(そんな区別は今や無意味と言われるかもしれませんが)出演される「有名論客」の「論じ方」を「見られる」のは,やはり興味深いと思います。

なも はもう一年道東で勤務する予定です。家族が,東京都から神奈川県に移りましたので,ほんの少し気分が変わりました。

なもさん、お久しぶりです。

ご家族さま、お引越しなさったのですね。
転居すると、環境も気分も一新しますよね。
私も、夫が健在ならばあちらこちらへと転勤転居の人生であったろうと思いますが、当地に住まいを決めて既に30有余年になりました。生地での暮らし年数より長くなり、たぶんここが終の棲家になるのではと思っています。

「キネ旬映画館」← 良いですよ。小さな喫茶コーナーもあり、映画を観なくても利用できます。過去のキネマ旬報誌や映画関連の書籍も閲覧できます。既に紙が黄ばんだ雑誌も、そこに掲載されている往年の名スターの写真も、懐かしいですね。
先日、映画館の方に「岩波ホールで上映されるような映画の上映はできませんか?」と尋ねますと「岩波ホールさんの映画の配給は独自ルートなので、ちょっと難しいですね」ということでした。残念です。

「朝生テレビ」が始まったころは画期的な討論番組だと思いましたが、何度も視聴するうちに少し違和感が生じて、あまり視なくなりました。しかし、何事も穏便に中立にと安全路線志向の日本社会へ何らかのインパクトを与えてくれるのではと期待したのですが・・・田原さんもお年を召されて、今後、彼に替わるようななオピニオンリーダーが出現するかどうか・・・近年の若い世代は大人しいなあと感じています。
大島渚さんや野坂昭如さんの激しいやり取りもありましたね。右や左の論客で普段はめったにテレビではお目にかかれない人たちの登場もありましたし。
でも、今回の「朝生テレビ」を視て、時代が変わったことをハッキリ感じました。これから若い人たちが自ら生き易い社会を築いていけるようにと、切に願わずにはいられませんでした。

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このページは、tsuyuが2013年4月28日 21:32に書いたブログ記事です。

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