2008年7月アーカイブ

小さな自尊心

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2008年7月28日の夕焼け

 

 役所庁舎に上る階段の最上階に、4?5歳くらいの男の子がうつむいて腰掛けていた。その傍らを通り過ぎようとしたとき、小さな声が聞こえてきた。

「あいつら、俺のことを馬鹿にしてるんだ、きっと・・・」

え、えっ?いま何て言った?君をそんなに落ち込ませたのは、いったい誰なんだ?と辺りを見渡すと、前方に父親らしき男性が赤ちゃんを抱いて立っていた。その足元には3歳くらいの女の子もいる。そして、こっちを見ている。ははぁ?ん、(あいつら)って(あいつら)のことね。

 

 があったか知らないけれど、この小さな男の子はいたく自尊心を傷つけられる出来事に遭遇して落ち込みの最中だったようだ。

 

 の後、庁舎内で再び見かけたこの親子連れは仲良く寄り添っていたので、関係は修復されたらしい。よかった、よかった。

 

 幼きに幼きなりの自尊心 うなだれ居りし午後の朝顔  露草

石を見る

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 はどこにでも転がっている。あまたある小石の一つと、ある時ふっと目が合うことがある。拾いたい・・・でも、拾えばまた保管場所に困る。そう思いながら拾ってきてしまう。

 

 ↑ れは典型的な花崗岩。日本中どこにでもある石。なぜか懐かしさを呼び起こす石。墓石に使われる石だからかもしれない。黒ゴマ入りのおむすびのようでもある。数種類の鉱物の集合体であることがハッキリ分かる花崗岩は、特に面白いと感じる。

 

 はすごい!それらが経てきた時間に思いを馳せると、まるで、石の中に果てしない宇宙が広がって行くようだ。この一粒一粒は、いつどのようにしてこの形状を為したのか?どこで発生してどこに埋もれ、どこで掘り起こされ、どのような経緯で小石となってここに在るのか?

 

 わゆる生命活動をしない石に「命」を感じるひととき。

「花を持たせる」

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 (手を立てる。相手に名誉を譲る)行為を「花を持たせる」と表現する。我が我がの時代においては、もはや出会うことも少なくなった行為であり表現とも言える。

 

 の「花を持たせる」という表現においては、美しい花という実体を名誉という抽象の象徴的な表現として使っているわけだが、実体の花でも抽象的な名誉でも、持たせてもらった側が喜ぶことには変わりがない。

 

 いうわけで、過日頂いた黄色い花を見ながら考えたこと。大げさな名誉の獲得や立場を持ち上げてもらうという効果を伴うできごとではなかったにせよ、私の気持ちはささやかに高揚したわけで、「花を持たせる」の言葉の発生にはこうした現実行為が基になっているのであろうと想像してみた。

 

 にせよ、人が喜ぶ行為を、それと意識せずに行えることは真に美しいことと思う。

「こんにちは」と挨拶したら

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 の手入れをしていたご婦人に、通りすがりに「こんにちは」と声をかけたら「これをお持ちなさい」と、一抱えもありそうな花 ↑ をいただきました。

 

 の畑には四季折々に花が咲きます。もちろん野菜も。駅への道すがら、いつも目を楽しませてもらっています。

 

 にこの花を下さったご婦人にはそんな意図はなかったでしょうが、頂いた花には "元気" と "勇気" がおまけに付いてきました。久しぶりに、人の心の温もりを感じたようで、嬉しいできごとでした。

「猫の郵便屋さん」という話

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 月3日付の新聞に「猫の郵便屋さん」という見出しの記事が掲載されていました。

 

 イトルに惹かれて読んでみたところ、期待を裏切らぬいまどき珍しいほのぼのする内容でしたので紹介したいと思います。

 

 台は熊本県天草市です。3年前、あるお宅にオスの子猫が産まれました。名前は「たま」。半年で行方不明に。ところが昨年秋にふらりと帰って来たのですが、手入れされて栄養状態も良い様子から、どこかで誰かに飼われていたことがうかがえました。

 こで、猫の生家の奥さん(68歳)が「たま」の首にリボンで小さな手紙を結びつけておいたところ返事が返ってきたそうです。「たま」が行方不明中の飼い主は中学3年生(15歳)の女の子の一家。返信は、その女の子からでした。

 

 れから約半年間に2軒の間を行き来しながら、およそ20通の小さな手紙をはこんでいるそうです。

 

 のできごとはごく日常の些細な話題ではありますが、素知らぬ顔をして気ままに暮らす猫が人と人の心をつなぎ、それが新聞記事になって、一読者である私の心にもポッと灯りをともしてくれるような話だと思いました。

 

 なみに、15歳の娘さんのお宅では(小豆のようにかわいい)「あずきち」という名前をもらっているらしいです。

「お口、ミッフィー」

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 ょっと前の日本テレビ"ズームイン朝"で、「お口、ミッフィー」という若者言葉を知った。周囲のおしゃべりを静止する時に使うらしい。これは、幼児対象の絵本に登場するミッフィーというウサギを知っている者でなければ通じない言葉かもしれない。ミッフィーの口は「x」で描かれている。そこから「お口を閉じてね」という発想につながったものらしい。誰が考えたのか、微笑ましい表現だと思って聞いた。

 

 つの頃からか、ひたすら"若い"ことが良しとされ、年齢なりに成熟し老化して行くことを忌み嫌う人が多くなったように思う。いまや"アンチ・エイジング"は商品の売り言葉として定着した感がある。雑誌や放送番組のタイトルでも頻繁に見かけるようになった。

 

 がしかし、動植物が老化して行くのは自然の成り行きであり、どんな手段を使おうとも若い頃の細胞活動を最期まで維持し続けることは、どの生物にとっても不可能と思われる。

 、せいぜい若づくりに励むことは、特に女性にとっては何にも優先する関心事かもしれないので、それは個人の自由であるが、外見や体力の若々しさを追求するつもりが、せっかく年月費やしてこそ身に付く物事への洞察力や行動の落ち着きなどを失わせるようであっては問題かもしれない。

 

 、ちょっと話題が・・・微妙なところに進んで行きそうなので、ここは「お口ミッフィー」ということで、ね。

持つべきものは何か?

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 の携帯電話は古い。かれこれ5?6年同じ物を使っている。それで何の不自由もない。電話を携帯できる便利さの恩恵には十分に預かっている。カメラはデジカメを持ち歩くし、戸外でまでインターネットやテレビを視るつもりはないし、地図に関してはあらかじめ自宅で調べて外出すれば事足りる。携帯電話は、もっぱら電話機能と手紙代わりの近況報告メール機能のみの使用で、それも頻繁とは言い難い。

 

 こ数日、某携帯電話会社から発売された新しい製品に関するニュースが喧しい。何でも時差の関係で、日本の店頭販売が世界で一番早かったとか。購入希望者の長蛇の列がテレビ画面に何度も映し出された。「一番乗り」を狙う人は昔も今も変わらずいるものだ。

 

 れからどれほどの人たちがこの機能満載の機器を所有するのだろう。そしてどういう風に暮らしの中に取り入れていくのだろう。もはや私には想像もつかない世界である。ちなみに、幸いなことに私にはこの機器に対して微塵の興味も無い。

 

 出先からの連絡手段として公衆電話では不自由を感じ、ポケベルに始まりPHSから携帯電話まで、私はいち早く生活手段として取り入れてきた。それは、親戚縁者が近くにいない土地で、子供二人を家に留守番させて働く母親には必要な物だった。

 

 が家にパソコンを購入しインターネットに接続するのも、比較的早い時期だった。これは、やがてコンピューター無しでは何もできない世の中が来るような予感があったことによる。その時、私は既に時代については行けないだろうが、息子二人はコンピューター音痴であっては何かと困るだろうと思ったことによる。

 

 の後あっという間にこの分野(携帯電話・PC)の機器は普及し進化し、短期間に新製品に切り替わっては買い替えられていく時代になっている。それはまるで服飾関係の流行のようだ。ただ、服飾関係では昔の流行が再び顔を出すことがあるようだが、この分野にそれは無いかも知れないが。

 

 は近頃、携帯電話やパソコンに関しては限定的な使い方のみで、それ以上のものを求めなくなった。あまりにも情報や時間に追われ過ぎて、暮らしに余韻やゆとりが無くなるように思い始めたからだ。世間の情報も、いち早く知らなければ困るような暮らしはしていない。生活の利便に役立てる範囲でならこの両者とも使える環境は備えているつもり。

 

 回の新機種発売騒動以前から、現代人は所有の欲望を満たすことで自己の空虚を埋めようとする傾向にあるのではないかと、私は感じている。対象が物でも人でも、「これは私のもの」と実感できなければ安心しないような焦燥感があるのではなかろうか。

 

 が精神を充実させて生きていくために最低限持つべきものとは、いったい何だろう?

クチナシの教え

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 日は近隣マンション合同で子供の神輿担ぎでした。これは毎年恒例の自治会行事です。私は顧問役員なので協力参加しました。

 

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↑ 子供用の神輿です。

 

 年は、私が長として計画から実行に携わったので、今年の進行状況を見ていると言いたいことが次々に浮かんできます。

○ 拡声器の音が小さいので違う拡声器にしては如何?

○ 子供の集合写真を撮影する際、カメラに皆がおさまるように子供を並べては如何?

○ 道路進行の際は、センターラインを越えないようにして下さい・・・

○ 神輿の担ぎ棒の4ヵ所を大人が持つことになっているのですが・・・

○ 置いてある神輿には触らないように子供に注意して下さい

 れらを遠慮がちに進言したのですが、聞き入れてもらえなかったのです。「どうでもいいじゃないか、たかが子供の神輿担ぎだもの」という雰囲気で無視されてしまいました。集まった大人も子供も、何となく集まって何となくウロウロして何となく解散しました。

 

 域行事とは、それを運営する大人が率先して子供に社会性の見本を見せる良い機会だと思うのです。大人に導かれながら子供は安全に楽しく行事に参加する術を身に付けて行くのではないでしょうか。

 

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 合場所の近くにこんな花が咲いていました。そうです「クチナシ」です。今の時代、社会に疑問や意見を抱いたとしても、表だって発言しないでいることが賢明なのだよと、まるで私に忠告してくれるような花ですね。「クチナシ→口無し」でいなさいと。

バーン!と来たら

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 近のテレビ番組で県民性や日本文化を取り上げられることが多くなり、人々の関心を引いていると思われる。生まれ育った土地で身につけた習慣や文化というのは一生を通じて影響が大きい。

 

 んな中、あるテレビ番組が大阪の街頭で実験した「いきなり仕掛けられたらどう反応するか」という取材は面白かった。銃で撃つ仕草や剣で切りつける格好や電話をかけている仕草を仕掛けると、多くの大阪人はそれぞれに見合った反応を返してくるというもの。

 

 日、アイルランドから来日している知人が会話の途中いきなり指鉄砲で「バーン!」と仕掛けてきた。もちろん平和な冗談である。私が反射的に「うーっ・・・」とのけ反り、撃たれたふりで応えると大いに喜んで、件のテレビ番組の話を持ち出して来た。彼もその番組を視ていたのである。彼は英語を教えている関係で、そうした日本の文化研究にも関心があるらしい。

 

 こから大阪と東京の違いに話が発展し、エスカレーターに乗る際に左右のどちらに乗るかの話を始めた。大阪では右、東京では左。では、この違いはどの地域から変化するのかという興味が湧いたという。彼の観察では岐阜県のエスカレーター乗降客が左右バラバラだったらしい。そういえば、角餅と丸餅の分かれ目もあの辺りだったような気がする。

 

 ょっとしたきっかけで一人の外国人と日本国内の地域性に関する話が弾んだひととき。

 

 なみに私は、話には気の利いたオチをつけたいし、突然仕掛けられても応じてしまうあたりは関西文化の影響を大いに受けた西日本人だと自覚している。そうは言っても、真正の「大阪のおばちゃん」たちの足元にも及べない中途半端なものだけれど。今は関東地方に30年間暮らして、文化的には東西数か所の地域性が混在している状態なのだが、話のどこかで笑いを取りたい欲求が、真面目な場面でもムクムクと頭をもたげて来るあたり、大阪文化の影響力の大きさを感じる。そんな自分を楽しんでもいる。

奇数

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 NHKの番組に「美の壺」というのがある。以前どこかで、この番組を紹介している短い一文を目にしてから、ときどき視るようになった。

 

 朝のテーマは「暖簾」。扉を閉めてしまえば人を寄せ付けず、かといって開け放っておくのもゆかしくない。そうした日本人の感情にピタリとはまった仕切りの小道具。この暖簾の奥に分け入り解説されてみると「なるほど・・・」がいっぱい。

 

 来、商店の暖簾は3・5・7などの奇数枚数の布を縫い合わせて店先に垂らすそうで、これは奇数が(割り切れないから余りが出る数字)であり(余り=余裕・ゆとり)に通じるからだそうだ。

 

 うか、奇数が喜ばれる理由がわかったぞ。

 

 しかし、(割り切れない)という意味合いに焦点を当てると

 

生真面目に納め続けた保険料 いずこに消えしか3・5・7(割り切れぬ)   露草

 

なんて使い方もありだな・・・と胸の内でつぶやいてみたりした。

ナンテン(南天)の花

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ナンテンの花が咲いていました。

小さな花と米粒のような蕾が無数に付いています。

最近あまり見かけませんが、趣のある木と花です。

ナンテンは「難転」「成る天」に通じる縁起木だそうです。

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