健康生活セミナー  女性の“こころ”と“からだ”


第5回  リプロダクティブ・ヘルス/ライツ
       (性と生殖の健康/権利)とは

宮 淑子  ジャーナリスト

【講座のまとめ】

1)言葉が誕生してきた背景を考える・・・・・・・・・人口政策からリプロダクティブ・ヘルス/ライツへ

  ・歴史の中で、女性の体(子宮)は国家や男性のものであった。
  ・中絶が処罰の対象であった頃、妊娠させた男性の責任は問われなかった。
  ・「産む/産まないは私が決める」←女性の自己決定権〜女性の体(子宮)を自分の手に取り戻す
  ・人口会議で話し合われる内容/決定は、女性の気持ちと隔たりがある

2)リプロダクティブ・ヘルスは「個人、とくに女性の生涯にわたる健康」を意味する月経、避妊、妊娠、出産、中絶、不妊、思春期、更年 期、女性特 有の病気、性暴力、性感染症、HIV/エイズ、買売春、セクシュアリティなどが幅広く含まれる。

  ・クラミジアが若い女性に増えている
  ・若い頃のクラミジアを放置したための不妊もある
  ・トリコモナス・カンジダは女性の方に症状が出やすい
  ・「Sex Worker」の存在(売る女性の存在)
  ・セクシュアリティ(性)は、男性にとって、Sexの回数ととらえられることが多い

性をめぐる言葉

Sex・・・・・・・生物としての性
Gender・・・・社会的性  (Gender Free=性による差別を無くすという考え方)
Sexiality・・・自己認識する性(多様なSexiality/性的指向性は誕生時に決定されている、と考える方向へ)

3)リプロダクティブ・ライツは、「個人、特に女性の性やからだ、産む産まないに関する自己決定権」を意味する。

  ・自己決定する主体となろう!
  ・現刑法に残る「堕胎罪」  刑法212〜216条
  ・従来の「優生保護法」を、現在では「母体保護法」と言いかえられる事が多い

4)産むこと・産まないことの自己決定権と、それを阻む法律について

  ・中絶の自由を求める女性 ← 反目 → 障害胎児の中絶の反対者/障害者の妊娠禁止への反対者
  ・中絶への賛否論の前に、(産む・産まない)の選択への考慮が、当事者である男女間で検討されなければならない。

                                 1996年  中絶件数   34万件
                                         出生件数   126万件     厚生省統計

5)産めないこと(不妊)の受容と生殖技術について

  講師が、ある雑誌で「不妊の受容」について書いたとき、
  産めない人たちから「この問題に関しては、他人の意見を聞きたくない」との投書が殺到した、という。

6)女性が自己決定して、性やからだを自立的に生きるために・・・・・・

  「私の体は私のもの、(いつ・何人産むか)は私が決める」