東京からの帰りが夜になると、乗っている電車の窓に自分の姿が映ります。まるで、窓の向こうにもう一人私がいるように。
そんな経験から生まれた詩が下記のものです。

ほんとの私は?

暗闇を走り行く
電車の窓の
向こう側に佇む私

あれは 虚像


日常の中で
窓の向こうの虚しい世界に
憧れる私

実像は ここ
窓ガラスのこちら


熱い情熱と
冷たい怒りに
打ち震える 私

(1989/3/6)